その朝、鴨居は激しい頭痛で目覚めることになった。

ガンガン頭をぶたれていると錯覚するほどの痛みと、胃やら肝臓やらがヒリヒリムカムカとする気持ちの悪さに襲われる。

「うげ…二日酔いだ。はぁ……って、えぇっ!!」

頭痛や吐き気だけだったらどれだけ幸せな目覚めだったことだろう。

「えっ……これは……」

気が付くと鴨居の腕の中で裸で眠る見知らぬ女。

「もしかすると、否。もしかしなくても、そうだよな……」

そして、周りを見渡すと明らかに自分の部屋ではなかった。

「うーわー。」

がっくしと肩を落としたが、意を決し、その女の肩をゆすって起こす。

「ん…うぅん。あ、おはよう。」

眠気眼でボーッと鴨居を見つめてその女は微笑んだ。


「お…おはよう。。。」

もう何が何だか分からなくなってしまって、鴨居は呑気に挨拶を返してしまう。




そして、ふと気が付くのだった。

(って…おはよう。とか言ってる場合かオレ!!)

自分の中で自分にツッコミを入れる鴨居。

器用なものである。