放心状態でソファに座るメグ。

養母は隣で声をあげて泣いていた。



しばらくして少しだけ落ち着いた養母がメグに聞く。

「勿論堕ろすのよね?だってあなたまだ高校生だもの。父親だって居ないわけだし、育てられるわけがないものね。ね、堕ろすわよね真理恵?」

気が動転している養母を気遣う余裕などメグにはない。

ただ耳に届いた音に反応してメグは首を頷いていた。





この時、私は唐突にもうあなたに会うことはないのだと思った。

そう思ったら会いたいと思うことさえ虚しく思えてきて。

あなたの面影を持つこの子に会いたいなどと決して思えないのに何故?



何も考えられない私の目には微笑むあなたと子供が居て。

涙さえ流せない今の私には、その光景を消したりぼやけさせたりするすべなどなくて――

ただあなたに



ただあなたに会いたくてたまらないよ。