四日目。

力強く希望に溢れる鴨居の心中も裏腹になかなかメグに関する情報は得ることができないままでいた。

「残り十軒か……メグ。今君は何を思っているのかな?」





忘れようとすればするほどに、嫌になるくらい鮮明に思い出してしまうのに……

どうして、君の顔を。声を。匂いを。ぬくもりを――

そしてあの笑顔を。

思い出そうとすればするほどに、あの滑り落ちる掌の上の砂のように――

一つ。また一つと思い出せなくなってしまうんだろうか。



神様。もしこれがあなたの気紛れや意地悪なのだとしたら……

オレは――

オレは。。。。




あなたを恨んでしまうよ。





日も傾き始め。

この日最後となる施設を訪れている鴨居。

疲れからか、焦りからか、苛立ちを隠すことができないでいる自分が悔しく思えていた。

「ごめんなさいね、力になることができなくって。」

そう言ってくれた施設の女性に鴨居は何度も何度も頭を下げてお礼を言った。

それしか、鴨居に感謝を伝える為のすべはないから。

何度も何度も。

深く頭を下げ続けた。