本棟を出て、緑いっぱいの中庭を突っ切り、鴨居の学科ではあまり使うことのない第3棟へと入る。
杉宮の手に引っ張られるままに、2人は屋上へと登っていった。
屋上の扉を開けた瞬間、体がのけぞるような風が流れ込む。
「あ、先客いるわ。」
何故か杉宮は空を見上げながらそう呟いた。
誰も居ない屋上で鴨居も空を見上げる。
青々と澄み切った空。
宙の海を飛ぶ小さな鳥。
その時唐突に――
俺ってチッポケだな。
……って思った。
そんなチッポケな俺の、チッポケな頭で考えた悩みなんて……
この澄み切った世界からすれば、取るに足らないくらいチッポケな問題で。
考えても無駄なだけかな?なんて――
そんなことを思ったら、自然と顔がほころんでいったんだ。
「気持ちいいっスね。杉宮先輩。」
そう言って振り返った鴨居の視界に杉宮は居なかった。
「あれ?先輩……?」
すると、どこからともなく現れた人物が鴨居に近付いてきた。
「…ん?誰かと思ったら鴨居じゃないか。気晴らしか?」
居なくなった杉宮の代わりにそこに立っていたのはなんと佐野であった。
杉宮の手に引っ張られるままに、2人は屋上へと登っていった。
屋上の扉を開けた瞬間、体がのけぞるような風が流れ込む。
「あ、先客いるわ。」
何故か杉宮は空を見上げながらそう呟いた。
誰も居ない屋上で鴨居も空を見上げる。
青々と澄み切った空。
宙の海を飛ぶ小さな鳥。
その時唐突に――
俺ってチッポケだな。
……って思った。
そんなチッポケな俺の、チッポケな頭で考えた悩みなんて……
この澄み切った世界からすれば、取るに足らないくらいチッポケな問題で。
考えても無駄なだけかな?なんて――
そんなことを思ったら、自然と顔がほころんでいったんだ。
「気持ちいいっスね。杉宮先輩。」
そう言って振り返った鴨居の視界に杉宮は居なかった。
「あれ?先輩……?」
すると、どこからともなく現れた人物が鴨居に近付いてきた。
「…ん?誰かと思ったら鴨居じゃないか。気晴らしか?」
居なくなった杉宮の代わりにそこに立っていたのはなんと佐野であった。



