「アイツが俺と樹のお袋を殺したんだ。」
グッと拳を握り締める杉宮。
静はそんな杉宮を諭すように話し始める。
「要。お母さんの病気の発症とお父さんから受けた傷とは無関係だと、お医者さんが説明してくれただろう?」
「兄さんは実際にアイツがお袋を殴ったのを見てないからそんなことが言えるんだ!!」
病室に杉宮の哀しげな叫び声が響き渡る。
静は握り締められた杉宮の手を優しく掴む。
「要。これだけはわかって欲しい。お母さんを誰よりも愛していたのは父さんだ。そしてお母さんが亡くなって一番胸を痛めたのも父さんなんだよ。」
杉宮はそんな静の手を無理矢理に振り払った。
「アイツがお袋を愛していた?アイツがお袋の死に胸を痛めた?はは……何言ってんだよ、アイツは……」
「ちゃんと聞いてくれ要!!」
静の叫び声が病室に反響する。
「要がもし、お母さんの死を父さんの責任とするならそれは、責任の対象が違うんじゃないか?」
静は杉宮に口を挟ませないよう、畳み掛けるように、間をあけずに言い放つ。
「父さんが酒で暴れるようになったのは、全て僕が病気になったことに原因がある。ならばお母さんの死は僕に責任がある、そうだろう?」



