「……嫌いにならないでっ…。」 なんて言う、私こそ卑怯者だった。 好きでいてとは、もちろん言わない。 ただ、わかったんだ。 ずっと、中途半端なままだった理由。 桐斗の思いをずっと閉まっていた理由。 「……あたしっ…、」 ――――裕を失いそうで怖いよっ…。 私を優しく撫でてくれてた手が止まった。