「………やっぱ、無理なんだな。」 裕が言った。 「昔みたいに、俺にひたすら着いてきた藍衣とは違う。」 昔の私は、いつもいつも裕だった。 裕がいなきゃ何もできない奴だった。 「あいつと会ってから、女の子らしくなったよな。 言葉遣いなんて男口調だったのに。」 裕が笑う。 自分では、気づかなかった変化。 裕も分かってるんだね。 “あいつ”が誰か。 「……気持ちも変わったんだろ?」