半径1㍍禁止


1人で、煙草を吸いながら家に帰っていた。


「……桐斗ーっ!」

俺の名前を呼ぶ。


振り返った。


「…ゆりか。」

こんな夜中に大きい声出すなよ…。


「…もー、そんな堂々と煙草なんか吸って。見つかるかもしれないよっ!」

そう言って、煙草を取り上げられた。


「…あ。」

ゆりかが煙草を落として、足で踏みつける。


あーあ…。

肩を落とす、俺。


「こんな夜中に、何してるの?
また喧嘩?」

ゆりかが、呆れ顔で言う。


ゆりかは、ちょっとお節介。

「……そうだけど。」

俺が頭をかいて言った。


「ダメだよ、毎日毎日…。」

よく飽きないね、なんて言う。


「…いや、…飽きてきた。」

俺がそう言うと、ゆりかは笑った。