「……桐斗に…?」

私が言う。


「うん。去年ね。」


「なんで…。
だって…、引っ越してきたって…。」

この前、引っ越してきたんでしょ?


「引っ越してきたって言っても、
隣町からなんだよね。」

桐斗が笑う。


は…?


「どこ高校行こうか、迷ってたんだけど。
裕の名前見つけて、面白そうだったからここに来た。」




怖くなった。




「……全部、知ってたの?」




私が裕に関わりがあることも。

裕がここにいるってことも。


裕の過去も。

全部全部…。




「さぁね。」

桐斗が不敵な笑みを見せる。