私たちは家に戻った。


納得のいかない私は窓をおもいっきり開けた。


「ちょっと!納得いくように説明して…私…散々悩んだんだよ?なのに…」


涙が溢れてきた…


「私は…気持ちがはち切れそうなくらい…悩んだのに………」


何泣いてんだろう…


ゆっくりと向こうの窓が開いた。


「ゴメン…悲しい思いばっかりさせて…」


松原君…


「本当にオレは沙織が好き…だった」


「だった?…」



「長くなるから…ちゃんと聞いてくれ…」


「はい…」


今の青空は病院で見た空とは少し違ってみえた…


なんだか、いつもの青空だった。


「転校してきたとき、オレの心の中は沙織でいっぱいだった…」


転校してきたとき…調度夏休みが終わる頃…


「沙織のことを蒼井に言ったとき…蒼井の気持ちが知りたかった…どう思ってるのか…」



保健室で私が初めて沙織さんの存在を知ったとき…


「で…お前が階段を踏み外して間違えて…口があたった時…ドキドキした…」


「……あれは…私も……」


そこで会話が少し止まった…



「確かにオレは今日沙織に会いたかった。でも気持ちは固まってたんだ…それを沙織はすぐに察してくれた…」


私は何が言いたいのか分からなかった…



「分かりにくいかな…」


松原君は頭をかきむしった。



「明日…またリハビリ見に行こうな…一緒に…」



「えっ…」



「オレ…オレさ…」



「あ!ねぇ!聞いた?彩夏がね…森田君に告白してみるって言ってた。大丈夫かな」


「え…あぁ…うん…」


少し松原君が安心してるのが分かった。


私はその場にあった椅子に座った。


松原君も椅子に座った。


「もうすぐクリスマスだよね…」


「あぁ…」


いつの間にか秋も過ぎ、冬になっていた…



「冬…寒くて嫌い…」


「そうなのか?じゃあ今年から少しは暖かくなるかな…」


「どうして…?」



松原君はゆっくりと私を見た。