「どうして…そんなに私を応援するの?私なんか行動力もないし…」



「別にいいだろ…そんなこと。オレが好きでやってるんだから 」


でも…こんなところ彩夏に見られたら…
彩夏は森田君が好きなんだから。


「こんなところ…誰かに見られたら…」



…それでもいいか…


そう思ってしまうほど、そこは居心地がよかった…



ふと、窓を見ると二つの影があった。


「…!」


松原君と香奈だった。


幸せそうな香奈の顔が遠くからでも分かった。


私は思わず、森田君のほうを向いてしまった。



怖かった…



森田君は少し驚いたけど、黙って抱きしめてくれた。



その時は気付かなかった。どうして森田君が私を抱きしめてくれていたのか。


ただの優しさかと思っていた。



一つの恋が動き出していた。


そして、新たな恋も…