ぜりー えっぐ ―スマイル リズム―

(おれだって・・・・・・!?)
(わたしだって〜・・・・・・!?)

こんな奴らにも心の声を傾け、聞き入れた。
神様は・・・・・・天使達は、叶えてあげようと思った。 夢の世界を。

疲れたように でも、きれいに成っていた。
(あなたの願い事を叶えてあげるわっ)
「えっ、ほんとう。 叶えてくれるのっ。 あなたが天使なのっ」
 魔法の棒を指揮者みたいに振るう。

色の付いた物や絵柄の入った物、模様の入った物は、皆 汚されて洗濯機で綺麗に洗われ、脱水され、干してあった。

願い事は、"楽しく空を飛ぶ事"だった。
いつもは、地面に一番近く、人間の汗を取り、汚く成り、臭く成るのが仕事。 だからストレス発散に安らかに気兼ねなく、空を飛びたいと言う話だった。

指揮が振られ、一緒に干してあるバスタオルの幕に囲まれ、靴下に魔法が掛けられる。
 ピヨピヨピヨ、ニャーオ、ニャ〜オ、そして最後に除夜の鐘のようにゴ〜ンとBGMが流れた。

ピヨピヨという声に引き付けられたのか!? どこから、ともなく蛇が現れた。
自然に羽を広げる。 しかし、それは、蛇では、なくゴールドのドラゴンだった。 ピラミッド型のジェットコースターがあるように徐々に上に上がって行く。
そしてバスタオルの幕を襲ったのだった。

ドラゴンが消え、バスタオルがひらひらと落ちると同時にソックスの絵柄のオルガンが空中を浮遊した。 分身して何台にも成り、そろばん玉の形を創り出した。

ソックスが綺麗にアレンジされ、蝶々型に切られ、模様が付けられ、坂本龍一の癒しのビアノ曲 (ten ten te te te ten ten)が、流れると同時にそろばん玉!?辺りから自然に蝶々が四方八方に散らばって行った。 羽根の色や大きさを変えて夢の時間を楽しんで空中を舞い踊るソックスチョウが、部屋の一室にいた。

そして綺麗に成った靴下達がすがすがしく、輝いて物干し竿に下がっているのが、天使には、見えていた。