一通り私の笑いが収まったころ、 私の頭にそっと手が触れた。 びくん、として頭をあげると そこにはあの優しい笑顔を浮かべた彼の顔があって 「花びらが乗ってた。」 そうにこっとして私の頭をぽんぽんとたたいた。 そのとき、私の脳裏をよぎったのは なぜだか、遠い遠い日の記憶。 むしろそれが現実なのか、空想なのか、 それすらわからないけど、 確かに私の記憶したことのある出来事。 いつだったか、 前にもこんな風に 誰かに頭を撫でてもらったことがある気がした。