見るはずのなかった顔を見ていると、動悸は激しくなること、際限なく。

 えぇと……。


 自分の頭の上で、妹が命を縮めていることなど知るはずもないフレディは、――いや知っていてもおそらく手を止めたりはしなかっただろうけど――やっと救い出した姫君を自らの腕の中へと収めながら、心底ほっとした様子で言うのだった。


「無事で良かった」


 そして。

言わずにはいられないと力を込めて、もう一言。

「今回も」