おいしい紅茶を飲む前に

 質問に答えが返ってきたことに驚きながらも、彼女は急いで王子に正しくお辞儀をして見せた。

言葉がだめでも、なんとなく伝わるものはあるはずだ。
この仕草が、願わくば彼の国で悪い意味ではありませんように。


 王子は彼の母国の言葉を使ってはいなかった。

リチャードの言っていた難解なものではなく、おそらくは彼の操ることのできる言語のうちで、最もポピュラーな部類に入る言葉を選び出していたのだ。

それでも、今この館に集まっている人間の中に、それを理解し得る者は数えるほどだろうけれど。