おいしい紅茶を飲む前に

「二階の、公爵殿の書斎だ。そこに立てこもって、要求が呑まれるのを待っているらしい」

「どうして、王子の他に人質が必要だったんだろう」

「言葉だね。王子の言葉は限られている。まずは英語は話さない」

「リチャードか」


 リチャード。

新しく現れたその名前について考えている時間はなかった。メレディスに促されて、再び移動を開始する。


 二階の、公爵殿の書斎へと。