わかるようでわからないその一言を小さくつぶやくと、フレディは妹の肩を抱き寄せた。

この季節にしてはめずらしく太陽の光が射す公園を抜けて、再び馬車の行き交う大通りへと。鳥の声と水の音が遠ざかり、人々がうつむいて先を急ぐ道へ。


「フレディのいるところなら、私はどんなところだと思わされていても行くの。ほんとは知っていたでしょ、そんなこと」


 国を離れて二年の間、シェリルへの手紙は、義務としては一月に一通だったが、実際のフレディのペースは三週間に一通。

自身の仕事内容にはほとんど触れずに、その報告をよく乗り切ったものだと思う。