私は優作先生の授業の前に
黒板を磨くことにした。


「おー、黒板綺麗だなぁ。
わっ、ちょっと緊張するっ」

先生が喜んでくれるから。



「先生ー、
漢字間違ってますよぉ!」

「うそ、どこ!?」

「そこです、そこ」


「あー、ごめんごめん。
消すと汚くなっちゃうな。
バツして横に書こう」

みんなが笑った。


先生も、
恥ずかしそうに笑う。



私は、
なぜか笑い声が出てこなくて
少しぼーっとしていた。