「はい」

「上手くいかないことは、
何でもオレに聞きたまえ!」


いつもの表情に戻った
水島先生を見て、
叱られ終わった生徒のように
すっと肩の力が抜けた。







「……やっぱり、
本田ちゃんに
嘘はつけない」

嘘?


「オレは
片山がかわいいよ。
川田と比べるまでもなく、だ」

「水島先生は
公平ですもんね」


何が嘘なんだ?


「問題児の方が
かわいいんだよ。
教師の自然な感覚だ、
とオレは思ってきた」

そういう意味……か。


「面倒ごとは
ノーセンキューな教員も
中にはいる。
差別するわけじゃないが、
講師に多いタイプかな。
……本田ちゃんは
そうじゃないよなぁ?
やや熱血くらいなのに……」