「いいってことよ。
本田ちゃんは真面目だな、
頭下げなくったって……」

主任は
ぽん、とおれの頭を叩いた。



「けどなぁ、
ちょっと休憩してるときに、
誰かと会って
話し込むことなんざ
珍しくない。
何で隠そうとした?
校内恋愛か?」


いつにも増して
意地の悪い笑い方だな。

その推測はハズレ。


「違いますよ。
書類仕事が終わらないもので、
ゆっくり休憩を取ったことに
少々罪悪感を覚えまして」

「ふむ、
そういうことに
しといてやろう。
明日までの書類、
しっかり頼むぞ」

「はい、もちろんです」






もしあれが
校内恋愛だとしたら、
禁断中の禁断、
教師と生徒の恋じゃないか。



こんなことを思ってる時点で、
今日のおれはやっぱり変だ。