「来年もあるじゃん」

「2位でも十分すごいよ」



そんな慰め、
できるはずない。


駆の悔しさは、
きっとそういうんじゃない。




「お疲れ様。
……これ、使う?」

タオルを差し出した。


ハンカチは
受け取ってもらえない
気がしたから。



「ありがと」

駆は額の汗を拭った。




私が一度視線を逸らしてから
また駆の方を見ると、
涙はすっかりなくなっていた。