「なぁ、俺、
バリバリ1位で
ゴールしたんだけど」

汗だくで帰ってきたのは、
3組アンカーの駆。

委員会が同じなので
わりと話す男子。


「あっ、いたの?」

私だけに向かって
言ったんじゃないだろうけど、
誰も答えてあげないから、
ちょっと意地悪してみた。


「真琴ひでぇ、
無視する他の奴らは
もっとひでぇ!」

そう言いながら、
駆は結構嬉しそう。


「だって……」

「あぁ、わかってる。
ヒロだろ?
今テントで休んでると思う。
……ヒロが転んだときにさ、
1組のベンチからは
ため息の固まりみたいのが
聞こえた。
で、2組とか他のクラスは、
あからさまに喜んでるわけ。
それで……」


「うん、わかってる。
3組はざわざわしだして、
駆の走りそっちのけで
光村君の心配してた」


そういうクラスなんだ、
3組は。