「真琴っ、
そのボールペン、
本田先生と同じのじゃない?」


菜々子にそう言われても、
全然ピンとこなかった。


「ホント?」

「ダメだなぁ、
好きな人のことは
もっとよく見てなくちゃ」


香織にあきれ顔で突っ込まれた。


「好きな人って……
ファンなだけだし。
ボールペンなんて
いちいち見てないよぉ」


私が見てるのは
もちろん板書
……と、優作先生の表情だけ。