「おーい、本田ちゃーん?」


気がついたら、
水島先生がきょとんとした顔で
おれを見つめていた。


「よくわからんやつめ。
……けど、
今回はオレの負けだ。
最近おごってるトコあったかも。
本田先生の純粋さを
ちょっとは見習うよ」


真剣な表情だった。


この人が
生徒の人気を得ている理由、
なんとなくつかめた気がする。



「んじゃ!」

言うだけ言って、
席に戻るんかい。

「どうもー」


やっぱりわからない人だ。

いったいなんだったんだろ……。