「すごい嬉しそう。
……ホントに似てるな。
同じこと言ってたし」


同じこと?


「よくわからないですけど、
そりゃ嬉しいですよ」

「本田ちゃんの授業は
『国語に対する愛』を
感じるんだってさ」


ドキッとした。

何故それを?


おれは「国語が好き」
という、そのまんまな理由で
この仕事を選んだ。

たとえば
目の前にいる先輩の方が、
はるかに技術は上だろう。

しかし、
まさに「国語に対する愛」なら
負けてないんじゃないか、
と密かに思っている。


愛とか言うの恥ずかしいし、
表だって主張はしないけど……。

授業を通して
少しでも生徒に伝えられたら
……毎回これは意識してる。