Magic Academy ~禁書に愛された少女~

階段をかけあがり、教室のドアを勢いよくあける。

「は…はずしたぁ!!」

なかにみやがいないのがわかると、慌てて方向転換をして、もときた廊下を走り出した。

『寮にはいない』

頭の中に、男の子の声が響いた。思わず立ち止まるそらに、シークは声をかけた。

「どうした、そら」

言われて、少しそらはうなった。

「うー…今、寮にはいないって、誰かの声が聞こえたような…」

首をかしげていると、シークがふむ、と呟いた。

「寮にもいないとなると、他にはどこがあるんだ?」

シークの言葉に、そらがまた唸った。

『第2魔法薬保管室』

今度は女の子の声がした。

「え?保管室?」

「そうか!急ぐぞそら!」

そらが呟くと、シークはなにかを思い付いたかのようにそらを急かす。

が。

「第2魔法薬保管室ってどこにあるの?」

学校生活を送りはじめてまだ間もない。どこになんの部屋があるのか、正直、まだ把握しきれていないのだ。

「…仕方ない、飛ぶぞ!」

シークがそう言った瞬間、体がふわっと浮かんだような気がした。

そして、次の瞬間、気づけば本当にどこかの部屋の宙に浮いていた。