Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「…なんでシーク?」

つっこみで起きる。

「……なんでシーク?」

自分の言葉の意味がわからず、さらに同じことを気づけば言っていた。

体を起こすと、自分のベッドにいた。
が、ベランダに居た記憶しかなく、そらは首を傾げた。

「…なんでベッド?」

朝から疑問符ばかりだ。ベッドへと自分で行った記憶がない。不思議そうにベッドから降りて、リビングへと移動した。

リビングにはシークがいた。本の姿で、ぱらぱらとページをめくっている。

「おはよう、シーク」

そらが声をかけると、シークもおはようと返してくれた。

「あれ?」

その声に、そらは何かが頭の中で引っかかった。

「どうかしたか?」

言われてうーん、と首を傾げるものの、何が引っかかったのかよくわからず、なんでもない、と、首をふった。

冷蔵庫をあけて、牛乳を取り出し、こくんと一口飲んだ。はぁ、と息をついて、牛乳を元に戻す。

「ねぇ、シーク。私昨日どうやって寝たか知ってる?」

聞いてみるが、シークはさぁ、としか答えてくれなかった。そらはまたうーん、と悩んだ。

「ベランダで星を見てたのは覚えてるんだけどさ、その後がぜんっぜん思い出せなくって」

シークの側にきて、ちょこんと座るそら。シークをぱらぱらとめくっているとき、真っ白で何も書かれていなかったシークに、最初の方のページに、文字が浮かび上がっていることに気づいた。

「あれ?なんか書いてある」

読もうとしたとき、シークがパッとネックレスの状態に戻った。

「ちょっと、シーク!?」

むすっとした声でそらが怒ると、シークは小さな声で、誰か来る、とだけ言った。そらは、逃げるための口実だと思い、なおも口を開こうとしたが、本当に、玄関のドアを誰かが叩いてきた。驚いて、慌てて玄関へと、そらは向かった。