Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「アッシュ!そらは無事か!?」

教室の扉が、勢いよく開けられた。そこには、眉間に縦じわをたっぷりと作った、ドルイドの姿があった。

「ドルイド!」

そらが名前を叫ぶと、ほっと安堵した顔になる。

「よかった、無事なんだな!」

そらとアッシュのもとにドルイドは駆け寄ると、ふわっと淡い光を出した。

「しかし…アッシュ、お前、無事なら無事で知らせろよな…」

呆れ口調でため息混じりに文句を言うドルイドに、アッシュは可愛くえへっと笑った。

「まったく」

苦笑いしながら、ドルイドは2人の頭を撫でた。
その時、青い光がふわふわと3人のそばにやってきた。パチン!という音と共に、うみの声がした。

『さっき、先生が何人か学校の中に入っていくのが見えた。寮の前で待ってるから早くこい』

うみの伝言に、3人は焦る。

「アッシュ、寮に戻るぞ。そら、こい」

アッシュはドルイドに言われて、こくんと頷くと、シュンっとその場から消えた。そらは急いでドルイドの側に走りよる。

「…!……」

扉の向こうから誰かが話している声が聞こえてきた。

「まずい、誰かきた!」

ドルイドはそらの腰に手を回し、体をぐっとそばによせる。

「飛ぶぞ、手を離すな!」

「う、うん!」

そらもドルイドの体に抱きつき、ぎゅっと目をつむった。