Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「………」

そらとアッシュはお互いの腕に力が入った。

「い、今の…」

アッシュが恐る恐る口を開く。そらは真っ青な顔色をしている。

「アッシュも聞こえた?」

そらに聞かれて、アッシュは少し震えながらも頷いた。

「………」


『!!』


また、声が聞こえてきた。2人はキョロキョロと教室内を見回してみるが、やはり、他には誰もいない。

「あっ!あれっ!!」

アッシュが床を指差す。そらが、その先に目をやると、ある文字が浮かんでいるのに気づいた。



開け、九つの地の入り口を護る門よ

約束の時は満ちた

いざ、ユグドラシルへ



「これ、どういう意味?」

そらが不思議そうに眺めていると、文字が薄くなり、消えてなくなった。

「あ、あれ!?」

慌てて床を見渡してみたが、文字はどこにもない。

「なんなんだろうね、あの文字」

アッシュも首を傾げた。


文字が消えると、歌声も聞こえなくなっていた。



あの歌声と文字って、なんか関係あるのかなぁ…


うーん、そらとアッシュは暫く音楽室で唸っていた。