ねずみの視線だからか、そこら中においてある物が、とても大きく感じられた。

(なんか、怖いねー)

そらがアッシュに声をかけると、アッシュは短く、そうね、と答えた。

ちょろちょろと動き回っていると、見たことのある風景の場所に出てきた。
そらが、初めてシークを発見した場所の辺りだ。

(ねー、禁書ってどこにあるんだろうね)

アッシュに言われて、そらはさぁ、と短く答えた。


…まさか、自分の首輪になってるなんていえない。


アッシュにねずみの姿にされたときに、シークの姿が、ネックレスから首輪に変わっていたのだった。

(でもさ、人目にさらされないようにって封印されてるんだったら、見つからないんじゃない?)

そらの言葉に、アッシュは唸った。
どんどん、シークがもともと置いてあった場所に近づく。今はもう、なにも置かれてない禁書の元封印場所。そらはどきどきしながらも、アッシュの後についていった。

(なんにもないね。禁書の話は作り話なのかなぁ)

アッシュがそう呟いたとき、パシン!と大きな音がした。そらがアッシュの方を見ると、アッシュの体が白く光っていた。

(アッシュ!)

慌ててそらがアッシュに駆け寄ると、また、大きくパシン!と音がした。

(うわぁ!)


目の前が真っ白になった。