Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「えぇ!?うっそ、知らないの!?」

アッシュに言われて、そらは少し恥ずかしくなる。

「み、皆知ってることなの?」

学校にそう言った怪談話の類があることは珍しくないが、そういった話を知らなくてびっくりされるということは、めったに無い。

「アマダスの7不思議って言えば、結構有名よ?」

そらは、ふーん、と話を聞く。
アッシュが教えてくれたのは全部で6つ。

・薬草を育てている温室に現れる女生徒の霊
・夜になると音楽室から聞こえてくる歌声
・プールに現れる女生徒の霊
・体育館で夜な夜な飛び回る箒
・特定の時間になると、校庭に浮かび上がるマジックサークル
・新月の夜になると扉が開かれるという、世界中の樹の絵

「で、7つ目は?」

そらが聞くと、3人とも首を横にふった。

(法具倉庫に眠る禁断の書物)

シークの声が聞こえた。
が、他の3人には聞こえていないようだった。
そらは席を立ち、ベランダの方へと歩いていく。と、シークはいつの間にか、ペンダントに変わっていた。

(シーク?)

ペンダントを手に取ったとき、ドアをノックする音が聞こえた。そらが首を傾げていると、アッシュが代わりにドアを開けた。

「が…学長!」

4人は思わぬ訪問者に、驚きを隠せなかった。