Magic Academy ~禁書に愛された少女~

シークが話しかけたとき、ドアをノックする音が聞こえた。慌ててドアのところに駆け寄る。

「そら、大丈夫か?」

声の主は、うみのものだった。ドアを開けると、ドルイドとアッシュとうみの3人の姿があった。

「アッシュに話聞いて、ちょっと心配になったって言うかさ」

頭をぽりぽりとかくうみ。
そらはちらっとベランダに置いてあるシークを見やった。


なんか、大事な話っぽかったけど…


シークはじっと、月光浴を続けているようだった。心配して様子を見に来てくれた友人を、無下に追い返すことはできない。
そらは3人を部屋に招きいれた。

「はい、どうぞ」

そらは紅茶を3人に出した。最初に口を開いたのは、以外にもドルイドだった。

「さっき、学長にそらのことを聞かれた」

その言葉に、そらの動きが止まった。

「え、なんで?」

アッシュに聞かれて、ドルイドは首を横にふる。

「いや、それがわからない。けど、そらは魔法が使えるのか、とか、いつもどんなものを持っているとか。そんなことを聞かれた」

「えぇ?学長が?他に、何か聞かれたのか?」

うみにきかれて、ドルイドはまた首を横にふった。

「いや、そらのことしか聞かれなかった」

そう言ったとき、うみが、あっ、と声を出した。

「なによ、うみ」

アッシュが怪訝そうな顔をすると、うみが少し困惑した表情で話し始めた。

「そういえば、今日、担任のオリゼにも、そらのこといろいろ聞かれた」

「え、なんで?」

そらが聞くと、うみも首をかしげながら答えた。

「いや、最初はさ。そらがいつまでたっても帰ってこないし、授業にも出てないからだと思ってたんだけど。でも、そらに何か変わった様子はないか、とか、いつも魔法は使ってるのか、とか。そんなことを聞かれた」

言われて、そらは困惑した。