Magic Academy ~禁書に愛された少女~

自分の部屋に戻ったあと、ベランダでぼぅっと色を変えていく空を眺めていた。
気がつけば大きな月が空に浮かんでいた。

月光浴をしながら、そらはシークを見つめた。

「ね、あの学長にされたのってさ、なんだったんだろ」

シークはため息をつくと、一言答えた。

「多分あれは、俺との接触を確認したんだ」

シークに言われて頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになる。

「俺は長い間、強力な封印を施されていた。知っているだろう?」

「うん…」

自分なんかが触れるだけで解ける封印が強力だとは思えないが、特定の人間にしか解けないような封印、と考えると、確かにある意味強力だと思った。

「あれは、その封印に触れた者を識別するためのものだと思うと」

「え?」

シークの言葉をそのまま受けとれば、すでにシークに接触していることがばれている。

「さらに、紙が燃えたことで、俺の封印が解けていることも、ばれていると思う」

「どーしよー…」

はぁ、とため息をつくそら。

「そらには少し、昔話をしておく必要があるかもしれないな」

シークが真剣そうな声で、そらに言った。