Magic Academy ~禁書に愛された少女~

背中がぞくっとする。思わずそらは、ばっとでてきた扉のほうを見た。

「なんか…怖!」

パタパタとその場を後にした。


気がつけば、屋上に来ていた。太陽の光りをあび、風を感じて、緑の匂いを思いっきり吸い込んだ。

「はー…気持ちいい」

大きく背伸びをする。

「あの女、気をつけろよ?」

シークに言われて、そらはこくんと頷いた。

「なんか怖かったよねー、あの人」

そのまま屋上でごろんと横になった。

「でも、どっかであの人、見たような気がするんだよね」

そう言って、目を瞑った。ぽかぽかと陽気に当てられ、すぅっと眠りについた。

「そら、お前は俺が、必ず守ってやるからな」

黒髪に紅眼の男が、そっと、そらの前髪を撫でた。