Magic Academy ~禁書に愛された少女~

(ね、なんで私だけ、こんなとこに呼ばれてんだろ?)

そっとシークに話しかけた。シークは黙っていた。


シークにもわかんないよね、やっぱり。


目の前には1年の各クラス担任が勢ぞろいしていて、その中央には、見覚えのある女性の姿があった。

「あの…それで、私はなんで呼ばれたんですかね??」

おずおずと声をかけると、見覚えのある女性が、にっこりと笑って1枚の紙をそらの目の前に差し出した。

「ここに手を置いて?」

言われるままに紙の上に手を置いた。
次の瞬間、紙がぼうっと燃え出した。

「うわ!」

慌ててそらは手を離す。先生方はひそひそと話をしている。


な、なんなのよ、一体!


少しあせりながらも、目の前の女性を見ると、女性は満面の笑みを浮かべている。

「あの、ほんとに、一体なんなんですか?」

不審そうなまなざしで女性を見ると、女性はにっこりと笑って答えた。

「この間、法具倉庫に入らなかった?」

言われてぎくっとする。誰かに見られた覚えもないし、倉庫に入ってからは数日がたっている。ばれているはずは無い。

(大丈夫、しらを切れ)

シークの声が聞こえた。そらはにっこりと笑って答えた。

「何のことですか?」