Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「…だめだよ……」

ことばにできない感情が、次々とあふれてきた。

「なぜ」

少年は不思議そうに問いかけてきた。

「彼は大切なものを奪われたんだ。それも、理不尽な理由でね」

当然の報いだと言いたげに少年は続けた。

「なら、同じような気持ちを、みんな味わってしまえばいい。彼女を生贄にした奴らも、人間に生贄を要求した神も、彼女を生贄にするきっかけになってしまった自分も」

その一言に、そらはまた、どくんと心臓が大きくなったのが聞こえた。

「だめ…だめだよ」

少年は、じっとそらを見つめている。

「私は…そんなこと、望んでなんかいなかった」

その言葉に、少年は少し目を大きく開いた。

「あなたにこんなことをさせるために、私は生贄になったんじゃない」


つぅっと、一筋の涙が、そらの頬を伝った。