「ほら、次に行くぞ」

「え?」

シークの言葉に首を傾げた瞬間だった。
さっきまでの景色から一転して、今度は真っ暗な建物の中に居た。

「どどど…どこ?ここ!」

急に視界が暗くなったせいで、辺りが何も見えない。そらは何度も瞬きをして、必死で目を凝らし、辺りの暗闇に目を慣らす。


ひゅん。


耳元で音がした。
目を擦り、辺りを伺う。


ひゅん。


また、音がした。
次は頭の上のほうだった。

不安と緊張で、うるさいくらい心臓が音を立てている。

「そら、飛べ!」

「うわぁ!」

シークが叫んだ瞬間だった。何かが足元を駆け抜ける。
そらはバランスを崩し、倒れそうになった。