Magic Academy ~禁書に愛された少女~

学校の校舎の間にある大きなプール。
プールに溜まっている水は、常に透明で綺麗な状態を保たれていて、月明かりがキラキラと水面に映っていた。

こっそりとフェンスをよじ登ってプールに侵入する。
きょろきょろと辺りを見回してみるが、何も無いし、誰も居ない。

「…シーク、誰もいな」

「しっ」

シークに制されてそらは口を閉じた。


パチャン。



水の跳ねる音がした。

「え…?」

音のした方をじっと目を凝らして見つめてみると、きらりと深い青色の何かが動いたのが見えた。

「あっ…」


パチャン!


今度は大きな音がした。

跳ねたのは綺麗な一人の少女。
少女の下半身は深くて綺麗なコバルトブルーの鱗が輝いていた。

「もしかして…人魚…?」

そらが目を輝かせながらみていると、シークがくくっと笑った。

「そんないいもんじゃない。あれはローレライだよ」

「ローレライ?」

そらが聞くと、シークは大きな声で、名前を呼んだ。