Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「うみ、だったね?学生証をここの差込口に差し込んで」

言われて、うみはポケットから学生証を取り出し、差込口に差し込んだ。すると、扉がぼうっと光り、カチンと音がした。

「これで、今日から1年間、ここの部屋は君の部屋になった。その学生証があれば、他人でも中に入れてしまうから、間違っても、なくしたり、安易に人に貸したりしないように」

言われて、はい!と元気よくうみは答えた。
そしてその隣の152と書かれた部屋へと移ると、スカナはそらに同じように声をかけてきた。
そらが同じく学生証を差し込むと、扉がぼうっと光り、こちらもカチンと音がした。

「では、残りのメンバーとの顔合わせを今日の夕食時に行う。夕食は今日は19時から開始とするので、時間厳守でお願いするよ。そうだな、後、3時間ほど時間があるから、それまでゆっくりとするといい」

スカナはそう言って、その場を去っていった。

「そら、これから時間あるけど、どうするんだ?」

うみに声をかけられて、うーん、と唸るそら。

「掃除と荷物の片づけかな」

在学中は、寮で生活をすることになる。そうすると、必然的に家に誰も住まなくなってしまうため、賃貸として他人に貸し出しすることにした。
そのため、家の荷物を全て持ってきていたのだ。

「そんなもん、すぐ終わんじゃん」

うみに言われるが、苦笑いして答える。

「や、魔法でうまくできないから」

魔法を使えば、片付けなどすぐに終わる。けど、それは魔法が使える人の話。

「あー、なるほどね。それ、俺もわかるわ。細かい整頓とか、魔法だと難しいしな」

そう言うと、俺も久しぶりに自力で片付けるか!と言って、うみはドアを開けた。

「じゃな、そら。また後で。飯行くとき、声かけるわ」

「うん、あとでね」

そう言って、そらとうみは、それぞれの部屋の中に入っていった。