Magic Academy ~禁書に愛された少女~

そらは、フギンとルンを連れて、ユエのいる温室へ向かった。
休みというのに、学校内では意外と生徒の姿がちらほらと見えた。
すれ違う度に、連れているフギンとルンを見て、何かをこそこそと話している姿を見た。

「…いつの時代も、人って生き物は醜いわね」

不機嫌そうな顔をしたフギンに、そらは首をかしげた。

「どうしたの?急に」

聞くと、フギンは呆れたような顔をして答えた。

「何、あんたなんにも感じないわけ!?」

言われてますます意味がわからない、という顔をした。

「あいつらは、あんたのことをこそこそと妬んで文句言ってんのよ!?」

「…は?」

「マジで聞こえてないの!?」

言われて周りを少し見回した。数人の生徒と目があったが、目のあった生徒は慌ててどこかへ走り去っていった。


あー…何となく想像ついた。


「影でこそこそ。何が楽しいのっ」

怒るフギンを、そらがまぁまぁ、となだめた。

「あんたは腹が立たないの!?」

言われて、そらはうーん、と唸った。

「あんましいい気はしないけど。でも、気にしてもしょうがないし」

「はぁ?」

「それに、フギンとルンと一緒にいる私が羨ましいと思うから、妬むわけで。そんな可愛い友達を持ってるなんて、鼻が高くてむしろ嬉しいけど?」

くすくすと楽しそうに笑うそらを、フギンは呆れ顔で見つめた。ルンは少し照れながら、そらを見てハニカんだ。