Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「ど、どちら様!?」

喋るからには普通のカラスじゃないというのはわかる。
が、一体、どこから現れたのかと、二人はお互いの顔を見合わせた。

「どちら様って失礼ね。あんたの使い魔じゃない」

そういって、カラスは翼をそらの方へと向けた。

「へ?」

気の抜けた返事を返すそらに、カラスは少しむっとした口調になる。

「ちょっと!気づいてなかったの!?自分で呼び出しといて、契約結んだくせに」

ぷりぷりと怒るカラスに、そらは少し戸惑ったような表情を見せる。

「け、契約?え、だってあの時、確かに光ったけど。でも、使い魔の姿なんてどこにもなかっ…あっ!?」

そういったとき、自分の耳についていたはずのピアスがなくなっていることに気づいた。

「そ。ちゃんと、あんたのそばにいたわよ?」

そう言うと、カラスはちょんちょんっと跳ねながら、そらの方へと近づいてきた。

「ま、確かに。マンドレイクの格好をしているよりは、人型なり何なりで見えたほうが何かと都合いいしね。クロスを作るのはいい考えだと思うよ」

そういって、くちばしの先を、ルンにすり寄せた。ルンも楽しそうな顔で、そのくちばしを撫でた。

「なになに?そのマンドレイクも、ユエみたいに人型してるの?」

アッシュに聞かれて、そらは頷いた。

「うん。ユエが言うには、まだ、人に見えるくらいまで人型を保てるほどの魔力は戻ってないらしいんだけどね」

そういって、そらはルンの頭を軽く撫でた。