Magic Academy ~禁書に愛された少女~

「…ねぇ、そら」

ユエに呼ばれて、なに?と振り向く。

「お願いがあるんだけど」

妙にまじめな表情を浮かべるユエに、そらは少しだけ後ずさる。

「な、なに?急にそんな真剣な顔して…どうしたの?」

聞くと、ユエはがばっと頭を下げてきた。

「ルンを、暫らく預かってくれないかな」

ユエの言葉に、そらは少し動揺する。

「へ?あ…預かる??」

意味がよくわからず、ぽかんとした顔をしていると、ユエはいたってまじめな顔で続けた。

「ルンもそらのこと、気に入ってるみたいだし。それに、そらの傍にいれば、もしかしたら」

「ち、ちょっと待って!」

ユエの言葉を、慌ててそらは遮った。

「確かに、ルンは可愛いし、一緒にいるのは全然いいんだけど」

ふう、と息をつくそら。

「せっかく、ユエにとったら、人型になれるようになった仲間なんでしょ?私みたいな出来損ないの傍にいるより、ユエの傍にいた方がよっぽどいいんじゃ」

そう言って、ちらっとルンの方を見た。ルンは少しだけ寂しそうな顔をしている。

「…そんな強力な使い魔を連れときながら、何言ってんのよ」

ユエがボソッと呟く。

「えっ?なに?」

「何でも。とにかく、そらの傍にいれば、ルンだって今回みたいに、拐われることもないだろうから」

ユエに言われて、うーん、とそらは唸った。

「いいじゃないか。面倒みてやれば」

「シーク…」

「ユエだって、本当は仲間と居たいはずだ。だが、それをこらえてまで、そらに託したいと言ってるんだ」

シークに言われて、そらはまた少し悩んだ。