二億円といえば、クイズミリオネアに二十回出場し、その全てにおいて一千万円を獲得した計算になる。←いや、わかりずらい
明衣は何故金持ちだけが取り柄の小娘が(酷い)、そんな価値があるのだろうかと不思議に思い、すっかり空になったジュースのパックを膨らませたり、凹ませたりを繰り返す。
「二億って、何が二億なわけ?」
明衣が尋ねれば、美帆子はストローを口に含んだままパックをぺしゃんこに押し潰し、ゴミ箱目がけてそれを放った。
残念なことに、それはぽっかり口を開けたゴミ箱には入らず、弾かれて床に転がった。
「……体にね、宝石が埋め込まれてるんだって」
「はぃ!?」
床に転がったパックを拾い、ゴミ箱に捨てながら答えた美帆子に、またもや奇声を発しながら目を飛び出させる明衣。
…宝石が埋め込まれてる…????



