a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



彼の色素に乏しい髪が、月明かりを受けてぼんやりと輝いていた。

明衣はそんな様子を眺めながら、彼の言葉を待つ。


「……俺はただ、交通手段とか手続きとか、教師として最低限のことをしただけで、別に特別何かをしたわけじゃない。

それに本郷だって、企画を立てたのはそうだが、その目的地を調べたのは五月女で、その五月女も調べる以外は何かをしたわけじゃない。

……君は準備段階では、何も出来なかったかもしれない。でも……」


自然と下がる明衣の頭が、少しだけ持ち上がった。


「麗さんと華さんを楽しませようと頑張ってたし、その場にあった的確なツッコミを入れていたのは君だ。

帰りの車で無茶をしようとした麗さんを止めたのも君だし、危機を切り抜けたのも君の機転の利いた作戦のお陰だ」


楡は疲れたのか、ふ、と短く息を吐いた。

明衣も、彼がこんなに喋っているのは初めて見た。

それに、ボーッとしているようで、きちんと周りを見ている楡に、少しだけ感心した。