まるで客へのサービスを理解しているかのように巨大な水槽の中を泳ぎ回っていた白くまランドを後にし、メンバーは広い動物園を次々と回っていく。
売店でゴリラグッズを買い占めた麗には、流石に全員絶句した。
華はそんな彼女の性格は慣れっこなのか、軽く苦笑するだけだった。
「そんなに持てないんだけど…」
「それなら荷物を載せる台車を借りるわ」
明衣が困ったように言えば、麗は何でもない事のように、乳母車くらいの大きさの荷台を借りてきた。
ついでに楡が持っていた弁当が入った手提げ袋も積ませてもらい、手持ちぶさたになった彼は、その荷台を押す係になった。
五月女は麗のそんな様子を見て、キラキラとその大きな瞳を輝かせながら言った。
「流石!金持ちはやることが違うなぁ!俺も一回で良いから店の物買い占めて、カードで一括払いとかしてみたい!!」
「良祐には無理だと思うけど〜」
「ΣΣそんなぁ!!せぇんぱ〜い……υ」
そんな願望も虚しく、さらっと本郷に酷い事を言われ、五月女はがっくりと肩を落とした。



