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時は過ぎ迎えた土曜日。
メンバーはいったん学校に集まり、楡の車で動物園に向かうことにしていた。
派手な高級車から降りてきた華と麗に、思わず明衣は目を見開いた。
私服も高そうなブランド物で、自分との次元の違いを今更ながらに実感する。
「本郷先輩、可愛ーなぁ…」
だらしなく鼻の下をのばし、五月女は本郷を見ながら呟いた。
彼女はグレーの生地に淡いピンクの大きなドットが散らばったワンピースに黒いニーソックスを合わせ、シルバーのパンプスを履いていた。
細くて綺麗な足を、黒が引き立てている。
そんな彼女に見とれている五月女は、淡い黄緑のプリントTシャツにの下に、レモン色のトレーナーを重ね着していた。
ダメージ加工されたジーンズが割と決まっている。
そんな彼を呆れた表情で見つめる明衣は、白いプリントTシャツに、半袖の紺色の薄手のパーカーを羽織り、涼しげな桃色の七分丈パンツを着用しており、可愛らしくまとまっていた。
「……車、そんな大きくないからギュウギュウかも……」
全員集まったのを確認してから、楡は若干困ったように呟いた。



