a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



ドアから顔を覗かせた麗は、何か怪訝そうな表情でaucメンバーを見つめた後、「取り敢えず入って」と促した。

五月女は女の子の部屋に入るのは……とか言いながら、どことなく戸惑っている様子だったが、結局嬉しそうに入っていった。


「ゴリラが生まれたって本当なの?」


麗は、全員を部屋に案内するなりそう言った。


「マジでゴリラ好きなの!?」


明衣のツッコミをスルーし、麗は真剣な表情でaucメンバーを見ている。

五月女が頷いた。


「そうだよ!名前は募集中なんだって」


それを聞いた麗は、少しだけ嬉しそうに微笑んだ。

口元に小さく笑窪が出来、可愛らしさを助長している。

姉の華は長い黒髪を緩く巻いた、どちらかといえば大人っぽく落ち着いたイメージがあるが、妹の麗は一点の曇りもない黒髪を肩の上の方で短く切り揃え、ボーイッシュなイメージがある。

くりくりと大きな二重目蓋に、マスカラ要らずの睫毛が生えていた。


「行きたい。動物園」

「ホント!?良かった!」


麗の言葉に、いつ仲良くなったのか、五月女が華とハイタッチ。

本郷がそっと明衣に話し掛けた。


「ゴリラよりパンダの方が可愛いわよね?」


「もう……どっちでも良い……」


明衣は疲れ切ったように肩を落とした。