a☆u★c〜全部請け負う部活動!!〜



大きな門をくぐり、玄関というものは無いのか、土足で中に上がり込んだ。

そこでは使用人が一列に整列しており、華が目に入った瞬間、一秒の狂いもなく一斉に全員が頭を下げた。


「お帰りなさいませ、お嬢様」


「お客様がお見えよ。お茶と菓子を用意して」


その光景に唖然とするaucメンバーを尻目に、華は使用人に指示を出している。

つくづく世界が違う奴だな、と明衣は思う。


「思ったんだけど、体の中に宝石があるって、有り得るの?」


本郷が首を傾げる。

すると、華が答えた。


「医師も珍しいケースだって仰ってたわ。体内の炭素や、その他栄養のバランスが絶妙にマッチして、そうなったんだと思うって。
今は大丈夫だけど、もしこれから大きくなるようなら摘出するそうよ」


心配そうな表情の華。

楡が廊下や柱に施された、美しい装飾を眺めながら呟いた。


「だとしたら、中年は皆二億円の価値があるってことか?」

「………何で?」


明衣が訝しげに尋ねると、楡は大真面目なのかよくわかないが、いつものように無表情で答えた。


「尿道結石とか、胆石とか。体に石出来たりするだろ?」

「……それ、違くねぇ?」

「……違うのか?」

「大分違うわ……」


明衣は溜息を吐きながら、首を傾げる楡を見上げた。