華はオドオドした様子でそんな本郷を見ている。 その視線に気付いた彼女は、 「続けて?」 とにこりと微笑んだ。 華は安心したように再び前に向き直り、言葉を紡いでいく。 「そんな事があってから、麗は随分塞ぎ込んじゃって、部屋から出なくなってしまったの。 父も母も、使用人も頭を抱えてて。此処に相談に来れば、何でも請け負ってくれるって聞いたから…」 「つまり、今回の依頼内容って……」 手を止めた本郷が顔を上げると、華ははっきりと言った。 「麗を外に連れ出して、遊んで上げてほしいの」