色もなければ、温度もない。 まるで人形のように、沚は色々なものを無くしていた。 「…………」 どうやって自分が今まで生きてきたかも、これからどうやって生きていこうとかも、考えるのが面倒になってしまっていた。 体は雨で濡れているのに、心は次第に渇いていく。 渇望し、彷徨する。 色の無い化け物は、心の無い人形は、どこに行けば良いのだろう。 ただ、雨音だけが響いた。